2008年03月11日
行儀の悪い犬
ひょんなことから大富豪のお屋敷で行われるパーティーにある人が御呼ばれすることになった。
その人はお金持ちでもないし、パーティーといえば友人の家で行われる普通のホームパーティーしか参加したことがなく、格式の高いパーティーへの参加に緊張していた。
当日はできる限りのおめかしをしてパーティーへ出かけた。大富豪の家に着くと、さすがに家も庭もでかい。そして中に入ろうと玄関をふと見ると小汚い大きな犬が座っている。
どうやら富豪の家の犬らしく、中に入りたそうにしている。その人は犬に気を遣い家の中に入れてあげた。
中に入ると流石に凄い、料理も家具も全て高そうなものばかりである。煌びやかな世界に足を踏み入れしばし呆然としていると、なにやらゲスト達が騒ぎ出した。
みると富豪の犬が料理を嗅ぎまわたっり、テーブルに乗って料理を食べ散らかしている。また犬は泥だらけなので高そうな絨毯が足跡だらけになった。
その光景に唖然としていると、富豪が近寄ってきてこう言った。
「あなたの犬、どうにかしていただけません?」
その人はお金持ちでもないし、パーティーといえば友人の家で行われる普通のホームパーティーしか参加したことがなく、格式の高いパーティーへの参加に緊張していた。
当日はできる限りのおめかしをしてパーティーへ出かけた。大富豪の家に着くと、さすがに家も庭もでかい。そして中に入ろうと玄関をふと見ると小汚い大きな犬が座っている。
どうやら富豪の家の犬らしく、中に入りたそうにしている。その人は犬に気を遣い家の中に入れてあげた。
中に入ると流石に凄い、料理も家具も全て高そうなものばかりである。煌びやかな世界に足を踏み入れしばし呆然としていると、なにやらゲスト達が騒ぎ出した。
みると富豪の犬が料理を嗅ぎまわたっり、テーブルに乗って料理を食べ散らかしている。また犬は泥だらけなので高そうな絨毯が足跡だらけになった。
その光景に唖然としていると、富豪が近寄ってきてこう言った。
「あなたの犬、どうにかしていただけません?」
2008年03月10日
教会の鐘
ヨーロッパのある村に男が訪れたのでした。
宿屋の主人の話によれば夜になったら決してカーテンを開けてはならないと言います。
男はなぜ?と聞き返すと主人は口を濁して部屋を出て行ったのでした。
それから男が村人から聞いた話を断片的に繋ぎあわせると悲しい物語があったのでした。
十年くらい前に、村でのけ者にされている母と娘がいました。
ある日、娘は村人の馬車に轢かれてしまいます。
だけど、馬車はそのまま娘を見捨てて逃げたのでした。
娘は助けを求めたのですが村人は誰も助けてくれません。
そこで、娘は血まみれのまま教会まで這って行きます…娘を庇ってくれる神父を頼っての事でした。
しかし神父はその時、隣村に行っていたのです。
それを知らない娘は必死に教会の鐘を鳴らして誰かの助けを求めたのでした。
しかし、いくら鳴らし続けても村人は誰も娘を助けず…隣村に出かけていた教会の神父が帰って来た時には娘はすでに亡くなっていたのでした。
それからしばらくたった頃から…
教会の鐘を鳴らすと、夜中に必ず娘の幽霊が出てくるようになりました。
娘の幽霊は窓の外から部屋の中を伺くのです。
そして、なにより…その娘の幽霊を見た村人は必ず次の日には死んでしまうのでした。
そこで、村人は夜中に窓の外を決して見ないように常にカーテンを閉め、その上、教会の鐘の紐を切り、鐘を鳴らせないようにしたのでした。
ところが!男が宿に泊まった夜…
鳴らせないはずの教会の鐘が鳴ったのでした…
そして次の日…偶然に娘の幽霊を見た村人が死んでしまいます。
村人が恐怖におののくまま夜を迎えると、やはり鳴らせないはずの教会の鐘が鳴ります。
そして次の日には…やはり娘の幽霊を見た村人が死んでしまいます…
その夜、誰も怖がって近づかない教会へ幽霊を信じない男はその夜、教会へ忍び込みます。
そして見たものは
教会の塔の上で鐘を鳴らそうとしていた神父の姿でした。
宿屋の主人の話によれば夜になったら決してカーテンを開けてはならないと言います。
男はなぜ?と聞き返すと主人は口を濁して部屋を出て行ったのでした。
それから男が村人から聞いた話を断片的に繋ぎあわせると悲しい物語があったのでした。
十年くらい前に、村でのけ者にされている母と娘がいました。
ある日、娘は村人の馬車に轢かれてしまいます。
だけど、馬車はそのまま娘を見捨てて逃げたのでした。
娘は助けを求めたのですが村人は誰も助けてくれません。
そこで、娘は血まみれのまま教会まで這って行きます…娘を庇ってくれる神父を頼っての事でした。
しかし神父はその時、隣村に行っていたのです。
それを知らない娘は必死に教会の鐘を鳴らして誰かの助けを求めたのでした。
しかし、いくら鳴らし続けても村人は誰も娘を助けず…隣村に出かけていた教会の神父が帰って来た時には娘はすでに亡くなっていたのでした。
それからしばらくたった頃から…
教会の鐘を鳴らすと、夜中に必ず娘の幽霊が出てくるようになりました。
娘の幽霊は窓の外から部屋の中を伺くのです。
そして、なにより…その娘の幽霊を見た村人は必ず次の日には死んでしまうのでした。
そこで、村人は夜中に窓の外を決して見ないように常にカーテンを閉め、その上、教会の鐘の紐を切り、鐘を鳴らせないようにしたのでした。
ところが!男が宿に泊まった夜…
鳴らせないはずの教会の鐘が鳴ったのでした…
そして次の日…偶然に娘の幽霊を見た村人が死んでしまいます。
村人が恐怖におののくまま夜を迎えると、やはり鳴らせないはずの教会の鐘が鳴ります。
そして次の日には…やはり娘の幽霊を見た村人が死んでしまいます…
その夜、誰も怖がって近づかない教会へ幽霊を信じない男はその夜、教会へ忍び込みます。
そして見たものは
教会の塔の上で鐘を鳴らそうとしていた神父の姿でした。
2008年03月09日
写真の中
ある少年が高校に入学しました。彼はカメラが趣味だったので、入学してすぐに写真部に入部しました。
その写真部には何人かの先輩がおり、活動も活発でしたが、なぜか3年生の数は極端に少なく、1,2年生を中心としたクラブでした。
そこは県下でも有数の進学校だったため、きっと大学受験のために早く引退するのだろうと、彼は何となく思っていました。
先輩たちは皆優しく、また親切に指導してくれたので、彼はめきめきと上達していきました。
特に懇意にしてくれたのはA先輩で、よく一緒に撮影に行っては、少年を指導し、色々と面倒を見てくれたので、兄弟のいない少年はA先輩を実の兄のように慕っていました。
ある時、A先輩は地元のフォトコンテストに応募し、その作品が優秀賞に選ばれました。
少年はそれを自分のことのように喜び、また自慢に思いました。
A先輩もとても喜んでいました。
でもそれからしばらくすると、A先輩はなんとなくクラブを休みがちになり、ある時からぱったりと来なくなってしまいました。
おかしいなと思っていた頃、A先輩がしばらくぶりに部室に顔を出しました。
手には退部届をもっていました。
少年はたまらない気持ちになり、A先輩にまた一緒に撮影に行こうと言いました。
でもA先輩は悲しそうな目で少年を見て、
「そのうちおまえにもわかるよ。」
と言い残して、部室を後にしました。
少年はきっとA先輩は写真で結果を残せたので、早めに受験勉強を始めたのだろうと思いました。
A先輩がいなくなったあとも、少年は毎日写真を撮り続け、彼はさらに上達していきました。
1年が過ぎた頃には、彼も色々なコンテストで入賞するようになっていました。
ある時、少年は暗室で作業をしていました。
それはコンテスト用に応募する、モデルを使ったポートレート写真でした。
そのモデルの背景に窓があり、そこに3歳ぐらいの女の子が写っていました。
女の子は黄色い傘をさしていました。
「こんな目立つ傘が写ってると写真が台無しだあ」
と思い、彼はその写真をゴミ箱に捨てました。
次に少年は、交差点の写真を撮りました。人や車でごった返す都会の交差点。
暗室でその写真を現像していると、彼はビルの間に開く、黄色い傘が目にとまりました。
雨が降っているわけでもないのに一つだけ開いた傘は、人混みに中でとても目立ちました。
次に彼は、風景写真を撮りました。手前に湖があり、その奥に白雪を背負った山々が見えています。
暗室の定着液に浮かぶその写真の中で、彼は湖にボートが浮かんでいるのを見つけました。
小さなボートなので、撮る時に気がつかなかったようです。
ボートの上には、あの黄色い傘をさした少女が、こちらを向いて座っていました。
少年は何かぞっとするものを感じ、急いで他の写真を現像しました。
街角の猫、オートバイ、公園の桜、夏の砂浜。
彼が撮ったすべての写真の片隅に、必ず、その少女は写っていました。黄色い傘をさして。
少年はもしやと思い、A先輩が撮った最後のアルバムを開きました。
思った通り、そこには、あの少女が黄色い傘をさして写っていました。
今とまったく変わらない姿で。こちらを向いて。
そして彼は、先輩たちが上達したとたんにクラブを辞めていく、本当の理由を悟ったのでした。
その写真部には何人かの先輩がおり、活動も活発でしたが、なぜか3年生の数は極端に少なく、1,2年生を中心としたクラブでした。
そこは県下でも有数の進学校だったため、きっと大学受験のために早く引退するのだろうと、彼は何となく思っていました。
先輩たちは皆優しく、また親切に指導してくれたので、彼はめきめきと上達していきました。
特に懇意にしてくれたのはA先輩で、よく一緒に撮影に行っては、少年を指導し、色々と面倒を見てくれたので、兄弟のいない少年はA先輩を実の兄のように慕っていました。
ある時、A先輩は地元のフォトコンテストに応募し、その作品が優秀賞に選ばれました。
少年はそれを自分のことのように喜び、また自慢に思いました。
A先輩もとても喜んでいました。
でもそれからしばらくすると、A先輩はなんとなくクラブを休みがちになり、ある時からぱったりと来なくなってしまいました。
おかしいなと思っていた頃、A先輩がしばらくぶりに部室に顔を出しました。
手には退部届をもっていました。
少年はたまらない気持ちになり、A先輩にまた一緒に撮影に行こうと言いました。
でもA先輩は悲しそうな目で少年を見て、
「そのうちおまえにもわかるよ。」
と言い残して、部室を後にしました。
少年はきっとA先輩は写真で結果を残せたので、早めに受験勉強を始めたのだろうと思いました。
A先輩がいなくなったあとも、少年は毎日写真を撮り続け、彼はさらに上達していきました。
1年が過ぎた頃には、彼も色々なコンテストで入賞するようになっていました。
ある時、少年は暗室で作業をしていました。
それはコンテスト用に応募する、モデルを使ったポートレート写真でした。
そのモデルの背景に窓があり、そこに3歳ぐらいの女の子が写っていました。
女の子は黄色い傘をさしていました。
「こんな目立つ傘が写ってると写真が台無しだあ」
と思い、彼はその写真をゴミ箱に捨てました。
次に少年は、交差点の写真を撮りました。人や車でごった返す都会の交差点。
暗室でその写真を現像していると、彼はビルの間に開く、黄色い傘が目にとまりました。
雨が降っているわけでもないのに一つだけ開いた傘は、人混みに中でとても目立ちました。
次に彼は、風景写真を撮りました。手前に湖があり、その奥に白雪を背負った山々が見えています。
暗室の定着液に浮かぶその写真の中で、彼は湖にボートが浮かんでいるのを見つけました。
小さなボートなので、撮る時に気がつかなかったようです。
ボートの上には、あの黄色い傘をさした少女が、こちらを向いて座っていました。
少年は何かぞっとするものを感じ、急いで他の写真を現像しました。
街角の猫、オートバイ、公園の桜、夏の砂浜。
彼が撮ったすべての写真の片隅に、必ず、その少女は写っていました。黄色い傘をさして。
少年はもしやと思い、A先輩が撮った最後のアルバムを開きました。
思った通り、そこには、あの少女が黄色い傘をさして写っていました。
今とまったく変わらない姿で。こちらを向いて。
そして彼は、先輩たちが上達したとたんにクラブを辞めていく、本当の理由を悟ったのでした。
2008年03月08日
コピー機
ある学校で年配の先生があまり使われていないコピー室で大量のプリントのコピーをしていた。あまりに量が多くその先生は学校に最後まで残ってしまった。
そんなとき、先生は持病の心臓発作で意識を失いコピー機にたおれこんでしまった。冬の寒い日で次の日の朝たまたま掃除用具を探しにきた生徒に発見されすぐ救急車が呼ばれたがなくなってしまっていた。
そのコピー室自体、あまり使われない旧校舎にあり、しばらく閉鎖状態になっていたが、生徒会の書類を作成するためひとりの生徒がそのコピー機を使った。
電源をいれ、印刷の原本の準備をし始めたときスタートボタンを押してしまった。するとその先生が指定した枚数だけ先生の死に顔が印刷され始めたのだった。
そんなとき、先生は持病の心臓発作で意識を失いコピー機にたおれこんでしまった。冬の寒い日で次の日の朝たまたま掃除用具を探しにきた生徒に発見されすぐ救急車が呼ばれたがなくなってしまっていた。
そのコピー室自体、あまり使われない旧校舎にあり、しばらく閉鎖状態になっていたが、生徒会の書類を作成するためひとりの生徒がそのコピー機を使った。
電源をいれ、印刷の原本の準備をし始めたときスタートボタンを押してしまった。するとその先生が指定した枚数だけ先生の死に顔が印刷され始めたのだった。
2008年03月07日
窓辺の少女
彼が中学3年生のころの事。それは進学塾からの帰宅途中に起きた。
自転車を漕ぎながらふと時計を見ると、針は九時半を回っていた。
「まずいなあ。十時からみたいテレビがあるし…近道するか…」
しかたなく彼は、普段は足場の暗さから避けている小学校脇の農道へ向かった。
暗い農道を走り続けると、急にひらけた所へと出た。
やがて、遠くに小学校の校舎が見えてくる。
「あれ?」
校舎の壁の小さな窓に誰かがいる。
彼の自転車を漕ぐ速さが増し、段々と小学校へと近付いてゆく。
それは、ひとりの少女であった。窓から腰まで身を乗出しこちらの方をジッと見ている。
「こんな時間に何やってんだろう。何年の娘かな。」
根っからのひょうきん者の彼は、自転車を止め少女に向かって、大声で叫びながら、ありったけのギャグをかました。
しかし、少女は無表情のまま一言も喋らず、ただ虚ろな目で彼をじっと見つめているだけであった。
「変な娘…。」
あきらめて、自転車のペダルを漕ぎ始めたその瞬間!彼は気が付いた。
「変だ!あの壁に窓なんかある筈無い!彼女の胴体も不自然に長すぎるし、だいいち腰から下がねじれている…」
彼は悲鳴を上げ、泣きながら家へと走った。
そして、テレビは見なかった。
翌日、新聞で昨日あの小学校で自殺した少女がいた事を知った。
自転車を漕ぎながらふと時計を見ると、針は九時半を回っていた。
「まずいなあ。十時からみたいテレビがあるし…近道するか…」
しかたなく彼は、普段は足場の暗さから避けている小学校脇の農道へ向かった。
暗い農道を走り続けると、急にひらけた所へと出た。
やがて、遠くに小学校の校舎が見えてくる。
「あれ?」
校舎の壁の小さな窓に誰かがいる。
彼の自転車を漕ぐ速さが増し、段々と小学校へと近付いてゆく。
それは、ひとりの少女であった。窓から腰まで身を乗出しこちらの方をジッと見ている。
「こんな時間に何やってんだろう。何年の娘かな。」
根っからのひょうきん者の彼は、自転車を止め少女に向かって、大声で叫びながら、ありったけのギャグをかました。
しかし、少女は無表情のまま一言も喋らず、ただ虚ろな目で彼をじっと見つめているだけであった。
「変な娘…。」
あきらめて、自転車のペダルを漕ぎ始めたその瞬間!彼は気が付いた。
「変だ!あの壁に窓なんかある筈無い!彼女の胴体も不自然に長すぎるし、だいいち腰から下がねじれている…」
彼は悲鳴を上げ、泣きながら家へと走った。
そして、テレビは見なかった。
翌日、新聞で昨日あの小学校で自殺した少女がいた事を知った。
2008年03月06日
リカちゃん人形
A子ちゃんがどこからかリカちゃん人形を拾ってきたんだよ。
そしてトイレでも食事でも寝るときも一緒という、普通な生活をしてたんだって。
そんなある日、A子ちゃんは夜中に尿意をもよおしたらしいんです。
もちろん、トイレには大切なそのお人形と一緒に。
無事に用をたしたA子ちゃんだけど、寝ぼけてたからかお人形を一緒に流してしまったんです。
拾った人形だし、いいかーと思ってまた眠ったんだと。
1週間後
「ピンポーン」
「宅配便でーす」
と、A子ちゃん宛てに一つの小包が届けられたんだと。
なんだろう?と思いながらA子ちゃんが開けてみると…そこにはトイレに流してしまったはずのリカちゃん人形が入ってたんだって。
なんか気持ち悪くなったA子ちゃんはまたその人形を捨てたんだが…
1週間後
「ピンポーン」
「宅配便でーす」
まさか…と嫌な予感が途絶えない。
恐る恐る開けてみると中にはやっぱりリカちゃん人形が…もう嫌!!!ってなったA子ちゃんはゴミと一緒に燃やしたんだそうな。
1週間後
「ピンポーン」
「宅配便でーす」
…
いやいやながらも空けてみると中にはクロ焦げになったリカちゃん人形が…
発狂寸前になりながらA子ちゃんはリカちゃん人形をぐちゃぐちゃに壊して捨てたんだと。
1週間後
「ピンポーン」
「宅配便でーす」
もう精神的におかしくなっていたA子ちゃんが空けると、血まみれになったリカちゃん人形がA子ちゃんを見てニヤって笑ったんだと…
そこでもうA子ちゃんは発狂してしまって病院行きになったらしい。
そしてトイレでも食事でも寝るときも一緒という、普通な生活をしてたんだって。
そんなある日、A子ちゃんは夜中に尿意をもよおしたらしいんです。
もちろん、トイレには大切なそのお人形と一緒に。
無事に用をたしたA子ちゃんだけど、寝ぼけてたからかお人形を一緒に流してしまったんです。
拾った人形だし、いいかーと思ってまた眠ったんだと。
1週間後
「ピンポーン」
「宅配便でーす」
と、A子ちゃん宛てに一つの小包が届けられたんだと。
なんだろう?と思いながらA子ちゃんが開けてみると…そこにはトイレに流してしまったはずのリカちゃん人形が入ってたんだって。
なんか気持ち悪くなったA子ちゃんはまたその人形を捨てたんだが…
1週間後
「ピンポーン」
「宅配便でーす」
まさか…と嫌な予感が途絶えない。
恐る恐る開けてみると中にはやっぱりリカちゃん人形が…もう嫌!!!ってなったA子ちゃんはゴミと一緒に燃やしたんだそうな。
1週間後
「ピンポーン」
「宅配便でーす」
…
いやいやながらも空けてみると中にはクロ焦げになったリカちゃん人形が…
発狂寸前になりながらA子ちゃんはリカちゃん人形をぐちゃぐちゃに壊して捨てたんだと。
1週間後
「ピンポーン」
「宅配便でーす」
もう精神的におかしくなっていたA子ちゃんが空けると、血まみれになったリカちゃん人形がA子ちゃんを見てニヤって笑ったんだと…
そこでもうA子ちゃんは発狂してしまって病院行きになったらしい。
2008年03月05日
2人の会話
ある朝、仮に洋子とします。
洋子はラジカセの留守録昨日をセットした。
夕方FMで放送される番組を留守中に録っておこうと思ったのだ。
その夜、彼女はアパートに帰ってきてから早速テープを聞こうと巻き戻して再生した。ところが肝心の番組が録れてない。
原因はすぐ分かった。ファンクションスイッチをFMチューナーでなく外部録音にしたまま予約をしていたのだ。人の居ないアパートをずっと録音し続けていたのだ。
がっかりしてスイッチを切ろうとしたとき洋子はスピーカーから聞こえる妙な声に気付いて停止ボタンから指を離した。
それはか細い女の子の声のように聞こえた。
留守の部屋に声なんかするわけない。
不思議に思いながら聞いてみると、どうやら声はふたつ。どちらも小声だがやっぱり幼い少女のような感じがする。
聞き取りにくいのだが、こんな会話だったそうだ。
……もっときれいにすればいいのにね。
……本当よね。きれいにすればいいのにね。
彼女は最初それがなんのことだか分からなかったそうだ。
じっと耳をそばだてて聞き入ってると会話は更に続いた。
……ずっとこのままなのかしらね。
……このままじゃ嫌よね。
……もっときれいにすればいいのにね。
……本当よね。
彼女は自分の顔から徐々に血の気が引いていくのを感じた。
ゆっくりと後ろを振り返る。
部屋の隅、かべにつけるように大きな洋服ダンスが置いてある。
その上に何年か前に友達から貰った2体の少女人形がある。
タンスの縁から両足を出すように座り、人形はお互いのカオを向き合っていた。
長い時間放置されていたせいかふたつとも埃まみれだった。
煤けたようなカオをしたままそれらは互いに見つめ合っていたそうだ。
洋子はラジカセの留守録昨日をセットした。
夕方FMで放送される番組を留守中に録っておこうと思ったのだ。
その夜、彼女はアパートに帰ってきてから早速テープを聞こうと巻き戻して再生した。ところが肝心の番組が録れてない。
原因はすぐ分かった。ファンクションスイッチをFMチューナーでなく外部録音にしたまま予約をしていたのだ。人の居ないアパートをずっと録音し続けていたのだ。
がっかりしてスイッチを切ろうとしたとき洋子はスピーカーから聞こえる妙な声に気付いて停止ボタンから指を離した。
それはか細い女の子の声のように聞こえた。
留守の部屋に声なんかするわけない。
不思議に思いながら聞いてみると、どうやら声はふたつ。どちらも小声だがやっぱり幼い少女のような感じがする。
聞き取りにくいのだが、こんな会話だったそうだ。
……もっときれいにすればいいのにね。
……本当よね。きれいにすればいいのにね。
彼女は最初それがなんのことだか分からなかったそうだ。
じっと耳をそばだてて聞き入ってると会話は更に続いた。
……ずっとこのままなのかしらね。
……このままじゃ嫌よね。
……もっときれいにすればいいのにね。
……本当よね。
彼女は自分の顔から徐々に血の気が引いていくのを感じた。
ゆっくりと後ろを振り返る。
部屋の隅、かべにつけるように大きな洋服ダンスが置いてある。
その上に何年か前に友達から貰った2体の少女人形がある。
タンスの縁から両足を出すように座り、人形はお互いのカオを向き合っていた。
長い時間放置されていたせいかふたつとも埃まみれだった。
煤けたようなカオをしたままそれらは互いに見つめ合っていたそうだ。