2009年03月30日
心友
ある学校に美人だが暗くて友達が一人もいない孤独な少女、亜美と、美人で明るくて友達が沢山いる元気な少女、花菜がいた。
高校に入学したばかりでクラスが一緒になった二人は、席が近かったせいもあり、仲良くなった。
一ヶ月位たった頃、二人はこんな話をした。
亜美「私、ずっと友達いなかったから花菜と友達になれてすごい嬉しい。ありがとうね」
花菜「友達じゃないよ」
亜美「え?」
花菜「心友だよ」
花菜「亜美、ずっと心友でいようね!」
亜美「うん!」
二人はどんどん仲良くなっていった。
だが、花菜はある日信号無視した大型トラックにひかれ、亡くなった。
突然の花菜の死を亜美は受け入れられず、亜美は、学校にも行かず、食事もとべず、どんどん痩せていった。
そんなある日、亜美のケータイに一通のメールが届いた。
亜美は重い手でケータイを取り、メールを見た。
そこには、死んだはずの花菜の名前があった。
急いで本文を見ると…
「亜美久しぶり。これは、亜美に送れる最後のメールです。亜美の目に私の姿は見えないけど、亜美の耳に私の声は聞こえないけど、亜美と前みたいに話す事はできないけど、亜美と前みたいに遊ぶ事もできないけど、私は…
空になったよ。
亜美の心が曇りや雨なら、私が晴れにする。
あんなに広くて澄んでて、亜美をどこからでも見守れる空になったよ。
だから、亜美のそばにずっといれる。
見えなくても、聞こえなくても、話せなくても、遊べなくても、心友。
これからも、私たちはずっとずっと心友だからね。」
亜美は読み終えた後、閉めていたカーテンを開け、空を見上げると、瞳から一筋の涙を流した。
高校に入学したばかりでクラスが一緒になった二人は、席が近かったせいもあり、仲良くなった。
一ヶ月位たった頃、二人はこんな話をした。
亜美「私、ずっと友達いなかったから花菜と友達になれてすごい嬉しい。ありがとうね」
花菜「友達じゃないよ」
亜美「え?」
花菜「心友だよ」
花菜「亜美、ずっと心友でいようね!」
亜美「うん!」
二人はどんどん仲良くなっていった。
だが、花菜はある日信号無視した大型トラックにひかれ、亡くなった。
突然の花菜の死を亜美は受け入れられず、亜美は、学校にも行かず、食事もとべず、どんどん痩せていった。
そんなある日、亜美のケータイに一通のメールが届いた。
亜美は重い手でケータイを取り、メールを見た。
そこには、死んだはずの花菜の名前があった。
急いで本文を見ると…
「亜美久しぶり。これは、亜美に送れる最後のメールです。亜美の目に私の姿は見えないけど、亜美の耳に私の声は聞こえないけど、亜美と前みたいに話す事はできないけど、亜美と前みたいに遊ぶ事もできないけど、私は…
空になったよ。
亜美の心が曇りや雨なら、私が晴れにする。
あんなに広くて澄んでて、亜美をどこからでも見守れる空になったよ。
だから、亜美のそばにずっといれる。
見えなくても、聞こえなくても、話せなくても、遊べなくても、心友。
これからも、私たちはずっとずっと心友だからね。」
亜美は読み終えた後、閉めていたカーテンを開け、空を見上げると、瞳から一筋の涙を流した。
2009年03月28日
2009年03月26日
パァパ
「ただ〜いまぁ!あ〜、疲れた〜。」
二週間ぶりの我が家だ。
「おかえりぃ。ご出張お疲れさまぁ。」
台所から妻の声。
『ダァ〜。』
2才になる我が子の声も。
これぐらいになると、だんだん言葉も覚え始め、親としての楽しみも増える。
最初に覚えた言葉は
「パパ」だ。
妻が親バカの俺のために、子供に何度も言い聞かせ、教えたようだ。
「もっと遅い時間になると思ったから、まだ夕飯作ってるところなのよぉ、できてるのから先に食べてて。」
キャベツの千切りをしながら妻は言う。
『バァ〜。マンマ。』
「そっか、お前も食べたいか?(笑)」
子供を抱き抱え、食べ始める。
『パァパ、パァパ!』
子供が緩めたネクタイで遊び始める。
「ん?今日の味噌汁、ちょっと苦いなぁ。。」
『ドォ、ドォ』
「パパは馬じゃないぞぉ。」
『ドォック、ドォック』
「英語も覚え始めたのかぁ!さすが俺の息子だな!」
『チネ、チネ』
「そんな、英語あったかぁ?」
『パパ、ドク、チネ、チネ、パァパ』
箸を持つ手が震えはじめた。
妻の包丁の音も止まった。
『パパ、毒、死ね』
振り返った妻の笑顔は、歪んでいた。
そして、こう言った。
「不倫旅行、お疲れさま。そして、いってらっしゃい。」
二週間ぶりの我が家だ。
「おかえりぃ。ご出張お疲れさまぁ。」
台所から妻の声。
『ダァ〜。』
2才になる我が子の声も。
これぐらいになると、だんだん言葉も覚え始め、親としての楽しみも増える。
最初に覚えた言葉は
「パパ」だ。
妻が親バカの俺のために、子供に何度も言い聞かせ、教えたようだ。
「もっと遅い時間になると思ったから、まだ夕飯作ってるところなのよぉ、できてるのから先に食べてて。」
キャベツの千切りをしながら妻は言う。
『バァ〜。マンマ。』
「そっか、お前も食べたいか?(笑)」
子供を抱き抱え、食べ始める。
『パァパ、パァパ!』
子供が緩めたネクタイで遊び始める。
「ん?今日の味噌汁、ちょっと苦いなぁ。。」
『ドォ、ドォ』
「パパは馬じゃないぞぉ。」
『ドォック、ドォック』
「英語も覚え始めたのかぁ!さすが俺の息子だな!」
『チネ、チネ』
「そんな、英語あったかぁ?」
『パパ、ドク、チネ、チネ、パァパ』
箸を持つ手が震えはじめた。
妻の包丁の音も止まった。
『パパ、毒、死ね』
振り返った妻の笑顔は、歪んでいた。
そして、こう言った。
「不倫旅行、お疲れさま。そして、いってらっしゃい。」
2009年03月24日
プロポーズ
A「わたし、ある男性からプロポーズを受けたの。」
B「へえ、どんな人?」
A「普通のサラリーマンだけど、彼は私を心から愛してくれるの。私も彼を心から愛しているわ。」
B「じゃあ迷うことはないじゃない。」
A「でも、彼には奥さんがいるのよ。ただ、彼は私がOKしたら、奥さんと別れたいって言っているわ。」
B「あなた達、お互いに愛し合っているんでしょ。それなら彼に奥さんと別れて貰って、結婚すべきよ。愛し合っているなら、何も心配することはないわよ。」
A「そりゃそうだけど、あなたとの友情が壊れるんじゃないかと心配なの。」
B「へえ、どんな人?」
A「普通のサラリーマンだけど、彼は私を心から愛してくれるの。私も彼を心から愛しているわ。」
B「じゃあ迷うことはないじゃない。」
A「でも、彼には奥さんがいるのよ。ただ、彼は私がOKしたら、奥さんと別れたいって言っているわ。」
B「あなた達、お互いに愛し合っているんでしょ。それなら彼に奥さんと別れて貰って、結婚すべきよ。愛し合っているなら、何も心配することはないわよ。」
A「そりゃそうだけど、あなたとの友情が壊れるんじゃないかと心配なの。」
2009年03月23日
ここにいるよ
hが住んでいた町に廃墟があった。
2階建てのアパートみたいな建物で、壁がコンクリートでできていた。
ガラスがほとんど割れていて、壁も汚れてボロボロだったから、
地元の人間でも、あまりこの場所に近づくことはなかったらしい。
ある日hは、友人と肝試しをすることになって、この廃墟に行くことにした。
まだ昼ぐらいだったから、建物の2階まで上がって建物を探索した。
そしたら並んでいる扉のひとつに、文字が書いてあるものがあった。
友人と近づいて確認してみると、扉の前に
「わたしは このさきの へやに いるよ」
と書いてあった。
hと友人は扉を開けて中に入り、先に進むことにした。
歩いて行くと分かれ道に突き当たって 、壁に
「わたしは ひだり に いるよ」
と書いてあった。
少し怖くなったけれど、hと友人はそのまま左に進むことにした。
すると両側に部屋があるところに突き当たって、壁に
「あたまは ひだり からだは みぎ」
と書いてあった。
友人はこれを見た瞬間に、半狂乱になって逃げだした。
でもhはその場所にとどまって、勇気を出して右の部屋に行くことにした
部屋に入り進んでいくと、突き当たりの壁に
「わたしの からだは このしたにいるよ」
と書いてあった。下を見ると
「ひだりの へやから わたしの あたまが きてるよ うしろ みないでね」
hは急いで、その部屋の窓から飛び降りて逃げた。
2階建てのアパートみたいな建物で、壁がコンクリートでできていた。
ガラスがほとんど割れていて、壁も汚れてボロボロだったから、
地元の人間でも、あまりこの場所に近づくことはなかったらしい。
ある日hは、友人と肝試しをすることになって、この廃墟に行くことにした。
まだ昼ぐらいだったから、建物の2階まで上がって建物を探索した。
そしたら並んでいる扉のひとつに、文字が書いてあるものがあった。
友人と近づいて確認してみると、扉の前に
「わたしは このさきの へやに いるよ」
と書いてあった。
hと友人は扉を開けて中に入り、先に進むことにした。
歩いて行くと分かれ道に突き当たって 、壁に
「わたしは ひだり に いるよ」
と書いてあった。
少し怖くなったけれど、hと友人はそのまま左に進むことにした。
すると両側に部屋があるところに突き当たって、壁に
「あたまは ひだり からだは みぎ」
と書いてあった。
友人はこれを見た瞬間に、半狂乱になって逃げだした。
でもhはその場所にとどまって、勇気を出して右の部屋に行くことにした
部屋に入り進んでいくと、突き当たりの壁に
「わたしの からだは このしたにいるよ」
と書いてあった。下を見ると
「ひだりの へやから わたしの あたまが きてるよ うしろ みないでね」
hは急いで、その部屋の窓から飛び降りて逃げた。
2009年03月22日
止まれない車
ある日Nはサークル仲間と夜景を見に、車二台で高原に出かけた。
高原で一行は綺麗な夜景を楽しんだ。
そのうち日付も変わり、
「そろそろ帰ろう」
と言う話になった。
一行は帰り支度をし、車に乗り込んで前の車はNの運転、後ろの車はKの運転で下り坂を帰る。
はじめは何事もなく普通に帰っていたが、途中からKはおかしな事に気づいた。
前を走るNの車が徐々にスピードを上げ始めている。
道はそれなりに傾斜のある下り坂で、あまりスピードを出すと危険だった。
しかしNの運転する車はどんどんスピードを増し、Kもいよいよヤバイと判断すると前の車に電話をかけた。(おそらく前の車の助手席の友人にかけた)
電話口の友人に、どうかしたのかと問いただすが
「とまれない!とまれない!」
を繰り返すばかりで要領を得ない。
Kはブレーキの故障と判断し、
「最悪の場合は車ぶつけてでもとめるから!」
と叫んだ。
しかし予想外の答えが返ってきた。
「違う!後ろから女が憑いてきてる!!」
あとからNに聞いた話では、運転中ずっと、宙に浮く女の首が
「とまって…とまって…」
と言いながら追いかけてくるのが見えていたらしい。
高原で一行は綺麗な夜景を楽しんだ。
そのうち日付も変わり、
「そろそろ帰ろう」
と言う話になった。
一行は帰り支度をし、車に乗り込んで前の車はNの運転、後ろの車はKの運転で下り坂を帰る。
はじめは何事もなく普通に帰っていたが、途中からKはおかしな事に気づいた。
前を走るNの車が徐々にスピードを上げ始めている。
道はそれなりに傾斜のある下り坂で、あまりスピードを出すと危険だった。
しかしNの運転する車はどんどんスピードを増し、Kもいよいよヤバイと判断すると前の車に電話をかけた。(おそらく前の車の助手席の友人にかけた)
電話口の友人に、どうかしたのかと問いただすが
「とまれない!とまれない!」
を繰り返すばかりで要領を得ない。
Kはブレーキの故障と判断し、
「最悪の場合は車ぶつけてでもとめるから!」
と叫んだ。
しかし予想外の答えが返ってきた。
「違う!後ろから女が憑いてきてる!!」
あとからNに聞いた話では、運転中ずっと、宙に浮く女の首が
「とまって…とまって…」
と言いながら追いかけてくるのが見えていたらしい。
2009年03月21日
アノ時の
臨月に入った、ある奥さんが電車に乗った時の出来事。
上品な紳士に席を譲られ、お礼を言って座りました。その紳士が下車する一瞬、紳士の着るスーツの襟に付いた、見覚えのある社章に気付きました。
「主人と同じ会社だ」
帰宅したご主人に事の顛末を話しました。
奥さんから聞いた背格好から推定し調べた結果、顔見知りの、別の課の課長さんである事が判りました。
課長さんは「ああ、君の奥さんだったのか。こんな事もあるんだねぇ」と言い、
この偶然について驚いていたそうです。
3ヶ月後。
課長さんの自宅に、奥さんの名前で一通のハガキが届きました。
赤ちゃんの写真が印刷され、その横にはこう書き添えられていました。
「その節は、ありがとうございました。この子は、あの時の子供です」
その日、課長さんの家は、大変な修羅場と化したそうです。
上品な紳士に席を譲られ、お礼を言って座りました。その紳士が下車する一瞬、紳士の着るスーツの襟に付いた、見覚えのある社章に気付きました。
「主人と同じ会社だ」
帰宅したご主人に事の顛末を話しました。
奥さんから聞いた背格好から推定し調べた結果、顔見知りの、別の課の課長さんである事が判りました。
課長さんは「ああ、君の奥さんだったのか。こんな事もあるんだねぇ」と言い、
この偶然について驚いていたそうです。
3ヶ月後。
課長さんの自宅に、奥さんの名前で一通のハガキが届きました。
赤ちゃんの写真が印刷され、その横にはこう書き添えられていました。
「その節は、ありがとうございました。この子は、あの時の子供です」
その日、課長さんの家は、大変な修羅場と化したそうです。