2008年11月15日
内定辞退
バブルの時の話
ある学生が数社から内定をいただき、どの企業に入社するかで悩んでいた。
考えた末にB社に決め、他社の内定は辞退することにした。その際に一番言いづらかったのはA社で、人事の方とも仲が良く一緒に飲みに行ったりもしていた。
勇気を振り絞り内定辞退の旨を伝えると、今晩ご飯を食べに行こうと誘われた。人事の方は大変残念がっていたが、それほど怒ってはいなかったので学生は安心した。
そしてその晩、人事の方と居酒屋に入り二人はとりあえずビールを頼んだ。そして乾杯の際、人事は突然、学生にビールを頭からかけた。
そして「クリーニング代だ」と数千円を渡し、勘定も学生に任せて去っていった・・・・・・
この話には様々なバージョンが流布しており、頭からかけられるものが牛丼だったり、学生に報復する人事は某大手証券会社である場合が多い。
ある学生が数社から内定をいただき、どの企業に入社するかで悩んでいた。
考えた末にB社に決め、他社の内定は辞退することにした。その際に一番言いづらかったのはA社で、人事の方とも仲が良く一緒に飲みに行ったりもしていた。
勇気を振り絞り内定辞退の旨を伝えると、今晩ご飯を食べに行こうと誘われた。人事の方は大変残念がっていたが、それほど怒ってはいなかったので学生は安心した。
そしてその晩、人事の方と居酒屋に入り二人はとりあえずビールを頼んだ。そして乾杯の際、人事は突然、学生にビールを頭からかけた。
そして「クリーニング代だ」と数千円を渡し、勘定も学生に任せて去っていった・・・・・・
この話には様々なバージョンが流布しており、頭からかけられるものが牛丼だったり、学生に報復する人事は某大手証券会社である場合が多い。
2008年11月14日
占い
ある若い女性が占い師に占いをしてもらったところ、近いうちに実家に帰ると必ずいい事が起きると言われた。
彼女はこの話を聞くと喜び、次の長期休暇を利用して数年ぶりに実家に帰った。ところが、この休暇中に彼女は実家で倒れ、そのまま亡くなってしまったのである。
これで収まらなかったのは彼女の親友である。
占い師の言うとおり実家に帰ったのに、いい事が起こるどころか死んでしまったのだからこれも無理はない。
彼女は例の占い師を探し出すと、インチキで無責任な占いをしたことを責めた。
するとその占い師は、ため息混じりでこう答えたのだ。
「私にはあの娘の命がもう長くないことがわかっていたんだ。だから、死の間際ぐらい家族水入らずで過ごしてもらいたいと思ってあんな嘘をついたんだよ」
彼女はこの話を聞くと喜び、次の長期休暇を利用して数年ぶりに実家に帰った。ところが、この休暇中に彼女は実家で倒れ、そのまま亡くなってしまったのである。
これで収まらなかったのは彼女の親友である。
占い師の言うとおり実家に帰ったのに、いい事が起こるどころか死んでしまったのだからこれも無理はない。
彼女は例の占い師を探し出すと、インチキで無責任な占いをしたことを責めた。
するとその占い師は、ため息混じりでこう答えたのだ。
「私にはあの娘の命がもう長くないことがわかっていたんだ。だから、死の間際ぐらい家族水入らずで過ごしてもらいたいと思ってあんな嘘をついたんだよ」
2008年11月09日
ベビーシッター
モントリオールの大きな屋敷で2人の子供の面倒を見るベビーシッターがいたんだ。
ベビーシッターが2階で子供を寝かしつけ下でTVを見ていると突然、電話が鳴った。
受話器をとると不気味な男の声がしたんだ。
「俺はルーシー・モノストーンだ」
と言ったんだって。
ルーシー・モノストーンはその頃はもう殺人鬼としてとても有名だった。
ベビーシッターはいたずらだと思って電話を切ると、またかかってきて同じことを言 う。
ベビーシッターは腹を立てて、オペレーターに電話をして事情を話した。そして、次にかかってきたら電話の相手を逆探知するように頼んだ。
そして、再び電話がかかってきた。
ベビーシッターはオペレーターに言われた通り、電話を長引かせてから切った。
男は
「俺は、ルーシー・モノストーン、たった今どこかのガキを殺したところだ」と言った。
電話を切るとすぐにオペレーターから電話があって、慌てた声で
「今すぐ家を出なさい」とオペレータは言います。
なんと電話はその家の2階からかかってきたって言うんだ。
ベビーシッターが電話を切ってふと振り返ると包丁を血でべっとりと染めた男が立っていた。男は
「俺は、ルーシー・モノストーンだ」
と電話と同じ声で言った。
けれども、ベビーシッターはこう言ったんだ。
「いいえ、あんたは偽物よ、だってあたしがルー シー・モノストーンだもの」
次の日、その家の2階で殺された2人の子供と見知らぬ男の死体がみつかりベビーシッターの姿はなかったって話だ。
ベビーシッターが2階で子供を寝かしつけ下でTVを見ていると突然、電話が鳴った。
受話器をとると不気味な男の声がしたんだ。
「俺はルーシー・モノストーンだ」
と言ったんだって。
ルーシー・モノストーンはその頃はもう殺人鬼としてとても有名だった。
ベビーシッターはいたずらだと思って電話を切ると、またかかってきて同じことを言 う。
ベビーシッターは腹を立てて、オペレーターに電話をして事情を話した。そして、次にかかってきたら電話の相手を逆探知するように頼んだ。
そして、再び電話がかかってきた。
ベビーシッターはオペレーターに言われた通り、電話を長引かせてから切った。
男は
「俺は、ルーシー・モノストーン、たった今どこかのガキを殺したところだ」と言った。
電話を切るとすぐにオペレーターから電話があって、慌てた声で
「今すぐ家を出なさい」とオペレータは言います。
なんと電話はその家の2階からかかってきたって言うんだ。
ベビーシッターが電話を切ってふと振り返ると包丁を血でべっとりと染めた男が立っていた。男は
「俺は、ルーシー・モノストーンだ」
と電話と同じ声で言った。
けれども、ベビーシッターはこう言ったんだ。
「いいえ、あんたは偽物よ、だってあたしがルー シー・モノストーンだもの」
次の日、その家の2階で殺された2人の子供と見知らぬ男の死体がみつかりベビーシッターの姿はなかったって話だ。
2008年11月07日
携帯のカメラ
携帯のカメラの音を消すとぃぅ裏技が出回った。
その内容は
「電源を1回押す、
次に受話器ボタンを1回押す、
1を一回おす、
また1を一回押す、
そして7を一回押す、
そしてしばらく放置する」と言う物である。実際やってみると・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・時報につながるだけだった。
その内容は
「電源を1回押す、
次に受話器ボタンを1回押す、
1を一回おす、
また1を一回押す、
そして7を一回押す、
そしてしばらく放置する」と言う物である。実際やってみると・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・時報につながるだけだった。
2008年11月05日
自作怪談
ある女の子がネット上で自作の怪談を作り流したらしい。
その内容は
『ある公園に行くと男の子がいつもいてね
「あそぼ」って言うんだって。
で、いいよって言うと殺される。やだよって言うと帰れるんだって。』
女の子は何気なく書いたつもりだが、それがネット上で意外にウケた。
そのことに気を良くした女の子は次々にいろいろな自作怪談をネット上で流していた。
そんなある日の夕方、彼女が学校の帰り道に近所の公園によってみると自分が作った怪談と同じように男の子がいたらしい。
その男の子が彼女に「遊ぼ」っていった。
あれっ?と思ったけど、彼女は自分の怪談が現実になるなんて思ってないから軽く「いいよ」っていった。
すると彼女は
自分の話どおりに殺されてしまった。
その内容は
『ある公園に行くと男の子がいつもいてね
「あそぼ」って言うんだって。
で、いいよって言うと殺される。やだよって言うと帰れるんだって。』
女の子は何気なく書いたつもりだが、それがネット上で意外にウケた。
そのことに気を良くした女の子は次々にいろいろな自作怪談をネット上で流していた。
そんなある日の夕方、彼女が学校の帰り道に近所の公園によってみると自分が作った怪談と同じように男の子がいたらしい。
その男の子が彼女に「遊ぼ」っていった。
あれっ?と思ったけど、彼女は自分の怪談が現実になるなんて思ってないから軽く「いいよ」っていった。
すると彼女は
自分の話どおりに殺されてしまった。
2008年10月31日
開けてくれ(2)
A子とB夫、C子とD夫の2組のカップルが、夏休みを利用して湖畔のコテージに宿泊しに行くことになった。
仕事の都合などからまずA子が一人で先に現地に入り食事の支度をし、あとからC子とD夫が車で、B夫がバイクでそれぞれ行くことに決まる。
A子がコテージですっかり食事の支度を整え終えた頃、まずC子とD夫がやってきた。
ところが、なぜか二人とも深刻な表情をしている。
二人の話によるとB夫はここに来る途中に事故を起こし死んでしまったというのだ。
泣き崩れるA子。
3人はひとまずここで一泊し、翌日に帰ることにした。
その日の深夜、ドアを激しく叩く音が3人を目覚めさせる。
ドアの向こうから荒々しいB夫の声が聞こえた。
「A子!ここにいるんだろA子!ここを開けてくれ」
開けようとするA子を二人が静止する。
あれは死んだB夫がA子を迎えに来たのだ、開けてはならないと。
しかし、B夫の必死の呼びかけに心を動かされたA子は二人を振り払いドアを開け、B夫に向かってこう言った。
「B夫、ごめん。私行けないわ。
お願い、気づいて。あなたはもう死んでいるのよ」
「死んでいるのはそいつらだぞ!
事故で死んだのは俺じゃない。C子とD夫だ!」
驚いたA子が振り向くと、そこにはもうC子とD夫の姿は無かった。
仕事の都合などからまずA子が一人で先に現地に入り食事の支度をし、あとからC子とD夫が車で、B夫がバイクでそれぞれ行くことに決まる。
A子がコテージですっかり食事の支度を整え終えた頃、まずC子とD夫がやってきた。
ところが、なぜか二人とも深刻な表情をしている。
二人の話によるとB夫はここに来る途中に事故を起こし死んでしまったというのだ。
泣き崩れるA子。
3人はひとまずここで一泊し、翌日に帰ることにした。
その日の深夜、ドアを激しく叩く音が3人を目覚めさせる。
ドアの向こうから荒々しいB夫の声が聞こえた。
「A子!ここにいるんだろA子!ここを開けてくれ」
開けようとするA子を二人が静止する。
あれは死んだB夫がA子を迎えに来たのだ、開けてはならないと。
しかし、B夫の必死の呼びかけに心を動かされたA子は二人を振り払いドアを開け、B夫に向かってこう言った。
「B夫、ごめん。私行けないわ。
お願い、気づいて。あなたはもう死んでいるのよ」
「死んでいるのはそいつらだぞ!
事故で死んだのは俺じゃない。C子とD夫だ!」
驚いたA子が振り向くと、そこにはもうC子とD夫の姿は無かった。
2008年10月29日
開けてくれ(1)
子とB夫、C子とD夫の2組のカップルが、夏休みを利用して一緒に旅行をすることにした。
B夫は仕事の都合で出発が遅れそうとのことなので、A子はC子とともにD夫の運転する車に乗り込み、先に目的地のホテルへと向かう。
道中、A子はC子やD夫と他愛のない話をして盛り上がっていたのだが、車が山道に差し掛かった頃に急に睡魔に襲われ、深い眠りに落ちていった。
A子が目覚めると、そこはどうやらホテルの一室。
知らない間に目的地に着いてしまったらしい。
辺りを見まわすと深刻な表情のC子とD夫が自分のことを見つめている。
D夫は重々しく口を開いた。
「目が覚めたかい?実は・・・とても残念な知らせがあるんだ。
どうか心を落ちつけて、ショックを受けないようにして欲しい。
さっき地元の病院から電話があった。
B夫はここに向かう途中に崖から転落して病院に運び込まれ・・・たった今、息を引き取ったそうだ」
あまりに突然の知らせ。
A子は驚きで頭の中が真っ白になり、「嘘でしょ・・・」とだけ尋ねるのがやっとであった。
「私たちも嘘であって欲しいとどんなに願ったか。でも、これは事実なのよ」
C子が涙ながらにA子に語った。
もう夜も遅かったため病院へは明日行くことにし、その日はみんな早めに眠りにつくことに決まる。
A子があまりに大きなショックを受けているようであったため、C子もD夫も今日は一晩中A子の側にいると約束をした。
その日の夜遅く。
A子が一睡もできぬままに過ごしていると、
「ズリッ、ズリッ」
廊下から何かを引きずるような音が聞こえてきた。
音はだんだんA子たちがいる部屋に近づいてくる。
やがて、音が扉のすぐ前まで迫り
「ドン、ドン」
ドアを誰かがノックする音、そして聞き覚えのある声が響いてきた。
「A子、A子!頼むから返事をしてくれ」
この声は・・・B夫だ!
A子は起き上がり扉に駆け寄ろうとしたが、誰かに手を掴まれてそれを阻まれる。
見ると厳しい表情のD夫がしっかりとA子の手を握って離さない。
C子も不安そうな表情でA子を見つめている。
二人ともA子同様、眠れぬ夜を過ごしていたのだ。
D夫が強い口調でA子に言った。
「A子、行っちゃだめだ。
B夫はきっと君を迎えに来たんだ。
もし扉を開けたら、君まで死んでしまう!」
それでも扉の方へ行こうとするA子に向かい、C子も涙ながらに訴えた。
「ダメよ、A子。
行ったらもう戻れないわ。
B夫はもう私たちと同じ世界の人間じゃないの。
B夫はもう死んだのよ!」
躊躇するA子。
その時、再び強く扉が叩かれた。
「頼む、A子。
お願いだ・・・開けてくれ。
俺は、俺はおまえなしじゃダメなんだ。
お願いだ、A子。お願いだ・・・」
A子は二人を振り払い、涙ながらにこう言った。
「ごめん。二人とも、ごめん。
私もB夫なしじゃ生きていけない。
B夫がいない世界で生きるぐらいなら、B夫と一緒に向こうの世界へ・・・」
A子は扉に駆け寄ると鍵を外し、力いっぱいに扉を押し開けた。
まばゆい光が部屋の中に溢れた・・・
「A子、お願いだ。開けてくれ。
目を開けてくれ・・・」
B夫の声がすぐ近くで響いている。
A子は目を開き辺りを見まわした。
そこは病院の一室。
どうやらA子は病室のベッドに寝ているらしい。
A子の目の前にはB夫の顔が、涙で目を真っ赤にしたB夫の顔が見える。
「A子・・・」
B夫はそれだけをやっと口に出すと、A子をしっかりと抱きしめた。
聞くとA子たちを乗せた車はホテルへ向かう途中に崖から転落。
A子はすぐに病院に運び込まれたが、一晩の間生死の境をさまよっていたらしい。
「それから・・・C子とD夫は死んだよ。
病院に運び込まれた時には、もう手遅れだった」
B夫は言いにくそうにそれだけをA子に告げた。
A子が生死の境をさまよっている時、夢の中に現れたC子とD夫はA子を道づれにしようとしていたのであろうか。
今となっては知るすべはない。
B夫は仕事の都合で出発が遅れそうとのことなので、A子はC子とともにD夫の運転する車に乗り込み、先に目的地のホテルへと向かう。
道中、A子はC子やD夫と他愛のない話をして盛り上がっていたのだが、車が山道に差し掛かった頃に急に睡魔に襲われ、深い眠りに落ちていった。
A子が目覚めると、そこはどうやらホテルの一室。
知らない間に目的地に着いてしまったらしい。
辺りを見まわすと深刻な表情のC子とD夫が自分のことを見つめている。
D夫は重々しく口を開いた。
「目が覚めたかい?実は・・・とても残念な知らせがあるんだ。
どうか心を落ちつけて、ショックを受けないようにして欲しい。
さっき地元の病院から電話があった。
B夫はここに向かう途中に崖から転落して病院に運び込まれ・・・たった今、息を引き取ったそうだ」
あまりに突然の知らせ。
A子は驚きで頭の中が真っ白になり、「嘘でしょ・・・」とだけ尋ねるのがやっとであった。
「私たちも嘘であって欲しいとどんなに願ったか。でも、これは事実なのよ」
C子が涙ながらにA子に語った。
もう夜も遅かったため病院へは明日行くことにし、その日はみんな早めに眠りにつくことに決まる。
A子があまりに大きなショックを受けているようであったため、C子もD夫も今日は一晩中A子の側にいると約束をした。
その日の夜遅く。
A子が一睡もできぬままに過ごしていると、
「ズリッ、ズリッ」
廊下から何かを引きずるような音が聞こえてきた。
音はだんだんA子たちがいる部屋に近づいてくる。
やがて、音が扉のすぐ前まで迫り
「ドン、ドン」
ドアを誰かがノックする音、そして聞き覚えのある声が響いてきた。
「A子、A子!頼むから返事をしてくれ」
この声は・・・B夫だ!
A子は起き上がり扉に駆け寄ろうとしたが、誰かに手を掴まれてそれを阻まれる。
見ると厳しい表情のD夫がしっかりとA子の手を握って離さない。
C子も不安そうな表情でA子を見つめている。
二人ともA子同様、眠れぬ夜を過ごしていたのだ。
D夫が強い口調でA子に言った。
「A子、行っちゃだめだ。
B夫はきっと君を迎えに来たんだ。
もし扉を開けたら、君まで死んでしまう!」
それでも扉の方へ行こうとするA子に向かい、C子も涙ながらに訴えた。
「ダメよ、A子。
行ったらもう戻れないわ。
B夫はもう私たちと同じ世界の人間じゃないの。
B夫はもう死んだのよ!」
躊躇するA子。
その時、再び強く扉が叩かれた。
「頼む、A子。
お願いだ・・・開けてくれ。
俺は、俺はおまえなしじゃダメなんだ。
お願いだ、A子。お願いだ・・・」
A子は二人を振り払い、涙ながらにこう言った。
「ごめん。二人とも、ごめん。
私もB夫なしじゃ生きていけない。
B夫がいない世界で生きるぐらいなら、B夫と一緒に向こうの世界へ・・・」
A子は扉に駆け寄ると鍵を外し、力いっぱいに扉を押し開けた。
まばゆい光が部屋の中に溢れた・・・
「A子、お願いだ。開けてくれ。
目を開けてくれ・・・」
B夫の声がすぐ近くで響いている。
A子は目を開き辺りを見まわした。
そこは病院の一室。
どうやらA子は病室のベッドに寝ているらしい。
A子の目の前にはB夫の顔が、涙で目を真っ赤にしたB夫の顔が見える。
「A子・・・」
B夫はそれだけをやっと口に出すと、A子をしっかりと抱きしめた。
聞くとA子たちを乗せた車はホテルへ向かう途中に崖から転落。
A子はすぐに病院に運び込まれたが、一晩の間生死の境をさまよっていたらしい。
「それから・・・C子とD夫は死んだよ。
病院に運び込まれた時には、もう手遅れだった」
B夫は言いにくそうにそれだけをA子に告げた。
A子が生死の境をさまよっている時、夢の中に現れたC子とD夫はA子を道づれにしようとしていたのであろうか。
今となっては知るすべはない。