2008年09月23日

異様な人々

夏休み、Uは彼女とドライブに行った。

日帰りだったのだが思いのほか遅くなって焦っていたという。

俺だったら無理して帰るどころか一泊のチャンス、と思うのだがUは夜中に車を走らせていた。
最初は息苦しさを感じて、次に胸がグッと痛み出した。

そして寒気。
いくら北海道の山の中でも夏は夏だ。

インフルエンザ、と思ったそうだ。

不要な心配かけたくなかったので、彼女は起こさなかった。


しかし寒気、悪寒がひどくなり、路肩に寄せて一息つこうとしたとき、ヘッドライトが異様なものを照らしていた。
ボロボロな格好をした人間が何人も連なって歩いている、背を丸めて。


肌の色は緑がかっていて、目も口も真っ黒な穴のよう。
すごく違和感をおぼえる色彩を放っていたそうだ。


ジャリ、ジャリと何かを引きずる音。






そして、おしっこと汗の煮詰まったような強烈な匂いがガーンと直撃した。


恐怖のあまり寒気すら忘れていたUだが、その時に嗅いだ匂いは一生忘れられないほどだったらしい。

その時、隣の彼女がUを呼んだ。








すると彼らの姿が消えた、Uは直ぐに車を発進させた。
「どうしたの?」









只ならない様子を感じて彼女はUに聞いた。









Uは
「何でもないよ」






と答えて最寄のコンビニに駆け込んだ。



コンビニのあんちゃんを見た瞬間Uは思わず感涙しかけたそうだ。


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Posted by ドケット at 14:18│Comments(0)怪奇 心霊
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