2007年10月06日

黒い手

ある青年には命に関わる重大な悩みがあった。
それは黒いミイラのような両手が毎日のように襲ってくるというもの。
車を運転すればどこからともなく両手が現れ、片方はハンドルを固定し、もう片方はブレーキを踏めないように足首を掴む寝ていると首を絞める。などなど。
自分はいつも間一髪で助かるが、近くにいる人達が巻き添えを食ってしまう。
電車に乗ろうとホームに立っていると、後ろから黒い両手に突き飛ばされ危うく死ぬ所だったが、青年を助けようとしたサラリーマンが変わりに電車に跳ねられ死亡した。
生きていくのに疲れ果てた青年は自殺を決意する。しかしいつも未遂で終わってしまう、
「自分を呪い殺そう」
そう考えた青年は黒魔術の本を読み漁った。
そして長い歳月を要したが、とうとう呪いの儀式の方法が解った。
それは過去の自分を呪い殺すものだった。
しかしこの儀式をするには自分の利き手を切断しなければならなかった。青年は右腕を切断し、呪文を唱えて腕を焼いた。
そして燃え盛る腕を見てある事に気付いた。
燃えていく右腕は過去に自分を殺そうとした両手そのものだった。


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Posted by ドケット at 06:33│Comments(0)怪奇 心霊
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