2007年04月27日

杉沢村

地図から消された村・・・杉沢村。
今から50年ほど昔、青森県八甲田山系の裾野に杉沢村
という小さな村があった。
ところがある日のこと、この村に住む一人の男が突然発狂して
住民全員を手斧で殺害、犯行後男もまた
自らの命を絶ってしまったため
村には人が一人もいなくなってしまったのだ。

この事件により村として成立しなくなった杉沢村は、
事件を覆い隠そうとする自治体によって密かにその存在を抹消された。
地図の上から名前を消され、
青森県の公式記録の中からも名前を消され。
廃墟と化した杉沢村にはそれ以来近づくものはなく、
50年の歳月が静かに流れていった。
ところが・・・

いかに青森県が真実を隠蔽しようとしても、
人々の記憶までは消せるものではない。

杉沢村の事件は地元の老人たちによって語り伝えられ続けていた。
一説では作家の横溝正史はこの杉沢村の事件を伝え聞き、
その話をモデルにして「八つ墓村」を執筆したとも言われている。
杉沢村の事件は地元の住人にとっては言わば公然の秘密であったのだ。

ある日のこと、青森県の山中をドライブしていた
3人の若い男女が道に迷い、
山奥にある古ぼけた鳥居の前にたどりついた。

鳥居のすぐ下には大きな石が二つあり、
そのうちの一つはドクロのような形に見える。

運転手の若者はこの時、昔聞いたある噂のことを思い出した。
ドクロ岩のまつられた鳥居が杉沢村の入り口であるという噂を。
男たち二人は車から降りると
「恐いからやめようよ」といやがる女を連れだし、
杉沢村を探検してみることにした。

鳥居をくぐり100mほど杉林の中を歩いて行くと、
不意に3人の前に空き地が広がり
そこに4軒の古びた廃屋が姿を現した。

そのうちの一軒の家に3人が足を踏み入れると、
その家の内壁には大量の乾いた血の跡がある。

男たちが背筋に寒いものを感じたとき、
連れの女性が突然こう叫びだした。

「ねえ、絶対に何かおかしいわ。人の気配がするの!」

驚いた3人が慌てて廃屋の外に飛び出すと、
確かに彼らを囲むように大勢の人がいる気配を感じる。
3人は大急ぎで車へ向かい走り始めた。
ところが、どうしたことだろう。
どんなに走り続けても、
なぜか車のもとへたどりつくことができないではないか。

広場から車までの距離はほんの100mほどであったはずだし、
道も一本なので迷いようがない。
それなのに、3人は行けども行けども
杉林の中から抜け出すことができないのだ。

いつしか3人ははぐれてしまい、
女性一人だけが長い間走りつづけた後に
どうにか車まで戻ることが出来た。

幸い車のキーは刺したままになっている。
彼女は助けを呼びに行こうと運転席に乗り込み、
車を発進させようとキーを回した。
ところが、なぜかいくらキーを回してもエンジンがかからない。
彼女は泣き出しそうになりながら
何度も、何度もキーを回し続けた。その時・・・

「ドン、ドン、ドン!」

突然車のフロントガラスから大きな音が鳴り響いた。
見ると車のフロントガラスを血に染まった
真っ赤な手が激しく打ちつけているはないか。
いや、フロントガラスだけではない。

車の前後左右の窓に無数の血まみれの手が現れ、
一斉に窓ガラスを突き破るかのような勢いで叩き始めたのだ。

彼女は恐怖でその場にうずくまると、
やがて意識を失ってしまった・・・

翌日の朝、地元のとある住人が山道の途中で、
血の手形が無数につけられた車の中で
茫然自失となっている彼女の姿を発見した。
彼女の髪は恐怖ためか一夜にして白髪と化していたという。
病院に運び込まれた彼女はそこで
この恐怖の体験を物語った後、突然姿を消してしまった。
これ以後彼女の姿を見たものはなく、
彼女の連れであった二人の男性もまた姿をくらましたままである。

呪われし悪霊の村・杉沢村。

ここに足を踏み入れたものに、命の保証はないのだ。

[解説]
 杉沢村についてはかなり多くの偽情報や誤解が飛び交っています。
 まず、杉沢村は地図から“消された”と言われていますが、
 実際には地図にその名が載ったこと自体ありません。
 というのも杉沢村は正式名称ではなく、
 本当は「小杉」という地名だからです。
 住所の小杉から「杉さ行く」となまって
 杉沢村と呼ばれるようになったとも、
 単純に杉林の側に沢があるからそう呼ばれているだけ
 とも言われていますが、
 どちらにせよ「杉沢村」という名前は通称であるということ
 のようです。
 また、杉沢村で大量虐殺が起きたという事実もありません。
 横溝正史の「八つ墓村」のモデルが
 杉沢村であるとまことしやかに語られることもあるようですが、
 本当の「八つ墓村」のモデルは
 昭和13年に岡山県津山で起きた「津山30人殺し」です。
 むしろ杉沢村伝説の方が「津山30人殺し」を
 モデルに作られたと言っていいでしょう。
 杉沢村が打ち捨てられた村であるというのは本当ですが、
 それは杉沢村が電気も通らず、学校まで一時間半はかかるという
 僻地であったため、一軒、また一軒と
 住民がよそへ移り住んでしまい、
 昭和43年ごろに最後の住民が出て行き
 住むものがいなくなってしまったためです。
 つまり、過疎のために自然消滅してしまったというのが
 杉沢村の真相なのです。
 このように因縁も何もない土地なのですから、
 後半の怪談話がただのフィクションであるのも明白ですね。
 杉沢村は現在では心霊スポットとして有名で、
 多くの人たちが興味本位で訪れていますが、
 その中から行方不明者など一人も出ていないですし。
 「肝試し」、「血の手形」、「無数の手」、「車に取り残される」と
 いったモチーフは多くの怪談話に登場する
 ありふれたものですから、
 おそらくは誰かが杉沢村の伝説を盛り上げる為に
 創作したお話なのでしょう。


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Posted by ドケット at 12:57│Comments(1)都市伝説
この記事へのコメント
「杉沢村」の記事を興味深く読みました。青森市の住民です。記事の通り、青森市には現在も過去も「杉沢村」は存在しませんが、それらしき小さな集落は存在しました。その集落は現在は杉林になっています。その集落には悲しい物語がありました。その物語は実在する人々のプライベートに関わることなので、地元の人たちはあまり語りたがりません。どうしても知りたい方は次のサイトをご覧下さい。但し口外は無用に願います。
http://homepage2.nifty.com/aomori/w6-2-sugisawa.htm
Posted by 雲谷(もや)仙人雲谷(もや)仙人 at 2008年07月31日 09:41
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