2009年04月03日

ドライブスルー

クルマから降りずにファーストフードが買えるドライブスルー。



店員側の方には、客からの注文を受け応えする為のマイクとスピーカーが ある。そしてその他にモニターカメラがあるのをご存知だろうか。


注文を受けるだけなら音声のみのやり取りでもいいような気がするが、
色々な意味でモニターも設置されており、客の容姿や車内の様子は判るよ うになっている。





これはそのモニターに写り込んだ霊の話である。


ファーストフード店でバイトをしているAさん。彼女はその店では一番長 いベテラン店員で、店に来る常連さんを何人も知っている。その中で必ず ドライブスルーで店を利用する男性がいる。黒塗りの高級車でやってくる ホスト系の若者。

なんか、いかにもなイメージのお客さんだ。

しかし彼女がこのお客さんを 覚えているのには他にワケがある。

それは助手席に座る女性の存在があま りにも強烈だからだ。

その女性の顔色は真っ青で、物凄い形相で男性をに らみつけているのだ。初めて店に来てその姿がモニターに写った瞬間は、 心底ゾッとしたという。まぁ、たまたまケンカでもして、それでかとも思 ったそうだが、注文を終えて、実際に商品を渡す窓口までクルマが来た時 には、その女性の姿は消えているのだ。


「あの女の人…幽霊だ…」Aさんは直感したという。だが、その男性は霊 の存在に気づく様子もなく、いたって普通な感じだ。



何度も店に訪れる男性と幽霊。Aさん自体もこの女性の霊は男性に憑いて いるのが判ってきたので、初めて見た時ほど怖くもならなくなっていた。



しかし、またその男性が店を訪れた時だった。いつものようにモニターに は恐ろしい表情の女性が写り、そして商品を窓口から渡そうとした時だっ た。



女性は消えている。男性がAさんに口を開いた。「いつも頑張ってるね、 今日は仕事何時に終わるの?」と。「いや、私は……今日はこの後10時 には…」聞かれた事をそのまま何も考えず、無意識に答えてしまった。



次の瞬間、消えていた女性の姿が再び現れた。いつもは男性をにらむ彼女 が今度はAさんをにらんでいる。戦慄が走った。そして女性は声にはなら ない口の動きでこう言った。


「やめろォ…、やめろォ…!」

幽霊に負けないくらいにAさんは顔面蒼白に。



その後ナンパしてきたこの 男性に、何と言い訳をしてこの場を取り繕ったか覚えていない程、動揺と 恐怖が彼女を支配した。



今までこの霊の怒りの矛先は男性に向いていたの に、いきなり自分に向けられたのだから。


男性は突如顔色を変えたA子さ んに対してまゆをひそめるような表情で、その場を後にしていたという事 も他の店員に肩を叩かれてそう言われるまで気付かないほどA子さんは凍り付いていたそうです。




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Posted by ドケット at 07:20│Comments(0)都市伝説
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