2009年01月11日
外車の復讐
あるところに乗りなれた外車を大切に使っている夫人がいた。
そしてある日、婦人のもとに車のセールスマンがやってきて新車の売込みをした。
「さきほどガレージで見ましたが、今使ってらっしゃっている車はだいぶ古いのではないですか?もしよろしければ、弊社で下取りさせていただきまして新車をお安く売らせていただきますよ」
セールスマンの必死の売り込みに、夫人も今使っている外車の調子が最近悪いため、そろそろ買い換えようと決心した。
「わかったわ。新しい車を買うことにします。だけどちょっとお願いがあるの。
今まで使っていた車は人の言葉が分かるみたいなの。飼い主の妄想かもしれないけど、あの車の前で買い替えの話はしないで頂戴ね。それを知ったらきっと嫉妬すると思うの」
セールスマンは夫人の言葉を全く信じず、持ち主の妄言だと思った。そして、契約が取れたうれしさもあってか夫人の家から帰るときガレージに停めてあった車に向かって
「お前はそろそろ売られちゃうんだぞ、それまでせいぜい頑張れよ」
と言ってボンネットをポンポネットを叩いて上機嫌のうちに帰宅した。
数週間後―
セールスマンは夫人の家に新しい車を納品した。
そして、夫人が今まで使っていた車を売るために工場へ運ぼうとしてエンジンをかけたそのとき
ボォン!!
キーをまわした瞬間に車のエンジンが爆発し、セールスマンは死んでしまったという。
言葉が分かるという外車の復讐は見事に達成されたのだ。
そしてある日、婦人のもとに車のセールスマンがやってきて新車の売込みをした。
「さきほどガレージで見ましたが、今使ってらっしゃっている車はだいぶ古いのではないですか?もしよろしければ、弊社で下取りさせていただきまして新車をお安く売らせていただきますよ」
セールスマンの必死の売り込みに、夫人も今使っている外車の調子が最近悪いため、そろそろ買い換えようと決心した。
「わかったわ。新しい車を買うことにします。だけどちょっとお願いがあるの。
今まで使っていた車は人の言葉が分かるみたいなの。飼い主の妄想かもしれないけど、あの車の前で買い替えの話はしないで頂戴ね。それを知ったらきっと嫉妬すると思うの」
セールスマンは夫人の言葉を全く信じず、持ち主の妄言だと思った。そして、契約が取れたうれしさもあってか夫人の家から帰るときガレージに停めてあった車に向かって
「お前はそろそろ売られちゃうんだぞ、それまでせいぜい頑張れよ」
と言ってボンネットをポンポネットを叩いて上機嫌のうちに帰宅した。
数週間後―
セールスマンは夫人の家に新しい車を納品した。
そして、夫人が今まで使っていた車を売るために工場へ運ぼうとしてエンジンをかけたそのとき
ボォン!!
キーをまわした瞬間に車のエンジンが爆発し、セールスマンは死んでしまったという。
言葉が分かるという外車の復讐は見事に達成されたのだ。
2009年01月10日
エミリーの手袋
あるところにエミリーという少女がいた。ある日のこと、エミリーはお母さんに買ってもらったばかりの赤い手袋をなくしてしまう。
そこでエミリーは、丘の上に住む魔法使いのおじいさんに助けを求めることにした。
すると、おじいさんはなぜかエミリーのなくした手袋を持っており、それをエミリーに返してくれた。ただしおじいさんは一言、彼女にこう約束をさせる。
「この手袋が私の家にあったと、決して誰にも言ってはならん。もし、誰かに喋ったら、今夜時計が真夜中の12時を打つとき、おまえをベッドから連れて行く」
ところが、家に帰ったエミリーはうっかり口を滑らし、母親に手袋が魔法使いのおじいさんの家にあったと告げてしまったのだ。
その日の真夜中、時計が12時を打つ頃になると、階段からこんな声が響いてきた。
「エミリー、ほうら一段のぼったぞ」
「エミリー、ほうら二段めだ」
恐怖に震えるエミリーの耳に、なおも声は響き続ける。
「エミリー、いよいよ十一段だ」
「エミリー、とうとう十二段のぼったぞ」
「エミリー、わしはおまえの部屋の前」
「エミリー、ほうらつかまえた!」
それ以来、エミリーの姿を見たものはいない。
そこでエミリーは、丘の上に住む魔法使いのおじいさんに助けを求めることにした。
すると、おじいさんはなぜかエミリーのなくした手袋を持っており、それをエミリーに返してくれた。ただしおじいさんは一言、彼女にこう約束をさせる。
「この手袋が私の家にあったと、決して誰にも言ってはならん。もし、誰かに喋ったら、今夜時計が真夜中の12時を打つとき、おまえをベッドから連れて行く」
ところが、家に帰ったエミリーはうっかり口を滑らし、母親に手袋が魔法使いのおじいさんの家にあったと告げてしまったのだ。
その日の真夜中、時計が12時を打つ頃になると、階段からこんな声が響いてきた。
「エミリー、ほうら一段のぼったぞ」
「エミリー、ほうら二段めだ」
恐怖に震えるエミリーの耳に、なおも声は響き続ける。
「エミリー、いよいよ十一段だ」
「エミリー、とうとう十二段のぼったぞ」
「エミリー、わしはおまえの部屋の前」
「エミリー、ほうらつかまえた!」
それ以来、エミリーの姿を見たものはいない。