2007年10月20日
くまさん
少年は父親と母親と一緒に近くの遊園地へ遊びに行った。
いくつかアトラクションに乗り楽しんだ後、一休みしていると、クマさんの着ぐるみを着た人に子供達が群がっているのが見えた。
少年はそれに興味を持ち、クマさんに近づいていった。しかし少し近寄ってみると妙な事に気がついた。プンと嫌な匂いが鼻をついてきたのだ。
母が少年に声をかけた。
「クマさんと一緒に写真を撮るから並んで~」
少年がクマさんの近くに寄ると匂いが一層強くなっていった。その匂いは死臭。死体が発するあの独特の腐ったような匂いであった。
クマさんはしゃがんで少年の肩に手をかける。少年が戸惑っていると、母が言った。
「早くクマさんと肩を組みなさい」
少年は仕方なくクマさんの肩へと手を伸ばした。グニャリという嫌な感触が着ぐるみ越しでも少年の手に伝わってきた。数匹のハエが回りをブンブンと飛び回っていた。
写真を撮り終わると少年はクマさんからすぐ離れようとしたが、なかなか肩から手を離してくれなかった。
「元気…でな……」
クマさんは少年に声をかけると手を離し少年から離れて行った。少年が肩を見ると白いウネウネしたウジ虫が何匹かついていた。
後で親にこの事を言っても、全く信じてはくれなかった。
あの着ぐるみの中身がどうなっていたのかは今でも分からない。あの時に撮った写真は今でも大事に保管されている...
いくつかアトラクションに乗り楽しんだ後、一休みしていると、クマさんの着ぐるみを着た人に子供達が群がっているのが見えた。
少年はそれに興味を持ち、クマさんに近づいていった。しかし少し近寄ってみると妙な事に気がついた。プンと嫌な匂いが鼻をついてきたのだ。
母が少年に声をかけた。
「クマさんと一緒に写真を撮るから並んで~」
少年がクマさんの近くに寄ると匂いが一層強くなっていった。その匂いは死臭。死体が発するあの独特の腐ったような匂いであった。
クマさんはしゃがんで少年の肩に手をかける。少年が戸惑っていると、母が言った。
「早くクマさんと肩を組みなさい」
少年は仕方なくクマさんの肩へと手を伸ばした。グニャリという嫌な感触が着ぐるみ越しでも少年の手に伝わってきた。数匹のハエが回りをブンブンと飛び回っていた。
写真を撮り終わると少年はクマさんからすぐ離れようとしたが、なかなか肩から手を離してくれなかった。
「元気…でな……」
クマさんは少年に声をかけると手を離し少年から離れて行った。少年が肩を見ると白いウネウネしたウジ虫が何匹かついていた。
後で親にこの事を言っても、全く信じてはくれなかった。
あの着ぐるみの中身がどうなっていたのかは今でも分からない。あの時に撮った写真は今でも大事に保管されている...
Posted by ドケット at 10:52│Comments(0)
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