ケネス・アーノルド

ドケット

2007年07月08日 11:32





6月24日午後2時、消防機器会社社長のケネス・アーノルドは、ワシントン州チェハリスから同州ヤキマに向け、自家用機で飛び立った。晴れて視界の良い日であった。
まもなく空軍からの無線で、前日消息を絶った海兵隊の輸送機の捜索に協力を依頼された。アーノルドは予定を変更してレイニア山方向に向かった。

午後2時59分頃、ミネラルの町近郊の上空2,800mにさしかかったアーノルドが機体を180度旋回させたとたん、自機の左方上空に、鎖のように一直線につながったとても明るい9機の飛行編隊を目にした。最初ジェット機かと思ったが、機体の輪郭ははっきりとはわからず、ジェットエンジンの音なども聞こえなかった。
しばらくするとそれは、数秒の間隔で急な角度での急降下と急上昇を繰り返し、ジグザグに揺れながら飛んでいるように見えた。大きさや速度を推測してみると、編隊の全長は8km、一機の長さは8m、飛行速度は2,700kmにも達することがわかった。

飛行物体がアダムズ山の最南部の峰を飛び越えるのを見届けると、目撃報告をするためユマに向かった。
アーノルドの体験はすぐに全米に広がった。記者会見で「水面をはねるコーヒー皿のような飛び方をしていた」と語ったのが「コーヒー皿のような物体だった」と誤って伝えられ、「空飛ぶ円盤(フライング・ソーサー)」という言葉ができた。
今もって真相は謎だが、アーノルドが物体までの距離を誤って計測した疑いもあり、物体の実際の飛行速度はそれほど速くなかったとも思われる。
最近ではペリカンの編隊だったのではないかという説もある。

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