ニュー・ネッシー

ドケット

2007年07月15日 08:21








1977年4月25日、ニュージーランド沖で操業中の日本のトロール船 瑞洋丸(2,455t)が正体不明の死骸を引き上げた。


この死骸は大きさが10メートルほどもあり、大きなヒレ状の部分や長い首のような部分が見うけられた。

引き上げられた時点で既にかなり腐敗していて悪臭もひどく、衛生上の問題などからまもなく海中に投棄されたという。

これらの事実が写真付きで報道されると、未知の巨大生物、あるいは絶滅したはずの首長竜の死骸ではないかとの説が唱えられ、日本中が大変な騒ぎとなった。

この死骸は、報道されるうちに「ニュー・ネッシー」と呼ばれるようになった。(おそらく”ニュージーランド版ネッシー”と”新たなネッシー”を掛けたものであろう)

瑞洋丸に乗船していた矢野道彦氏が、死骸の体組織の一部や写真など数点の資料を保存していたため、帰国後それら資料の分析が複数の機関で行われた。

その結果を総合的に判断すると、正体はウバザメかその近縁種と考えるのが妥当であろうとされ、一応の決着をみた。

しかし直接の目撃者である田中船長ら瑞洋丸船員は、

腐敗臭が魚のそれとは違っていた
サメ類と違い、後ろにも一対のヒレがあった
サメと違い、首や尾の骨が正方形の硬いブロック状だった
などの特徴を挙げていたという。

現在でも、ときどき珍しい生物(深海魚など)が捕獲されたというニュースはあるが、「ニュー・ネッシー」ほどの大きな話題になったものもないだろう。

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