彼女を作らない理由

ドケット

2008年12月16日 21:51

Hには昔彼女がいたが、白血病になった。

Hは頻繁にお見舞いに行ったり美味しいもの買ってきたりして、彼女を慰めた。

彼女も喜んでいたが悲しい事に、亡くなってしまった。

しばらく抜け殻のようにHはなっていたが、49日あたりの時、彼女が現れた。

1人で酒飲んでて、トイレから戻ってきたら生前の姿でベッドに腰掛けていたという。

Hは涙をボロボロ流して、会いにきてくれたか~そうかぁ~的な事を叫んだ。

彼女もニッコリと笑いながら、何かつぶやいていた。

Hが泣きながらベッドの彼女の横に座ると、彼女は本当に天使の様にニッコリ笑いながら

































































































「死ねッ死ねッ死ねッ死ねッ死ねッ死ねッ死ねッ死ねッ死ねッ死ねッ」

と呪文の様につぶやいているのが聞こえたという。

笑顔だけに心底ゾッとしたと言う。

百年の恋も冷め、翌日すぐに懇意のお寺に行った。「これはいけませんなぁ」と住職。

お払いしてもらったら出なくなったという。

「別に浮気してたわけでもなし…もう誰も信じられなくなったなぁ」

Hはそれ以来、女遊びはするが、彼女を作る事はしなくなったという。

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