開けてくれ(2)

ドケット

2008年10月31日 12:28

A子とB夫、C子とD夫の2組のカップルが、夏休みを利用して湖畔のコテージに宿泊しに行くことになった。


仕事の都合などからまずA子が一人で先に現地に入り食事の支度をし、あとからC子とD夫が車で、B夫がバイクでそれぞれ行くことに決まる。


A子がコテージですっかり食事の支度を整え終えた頃、まずC子とD夫がやってきた。


ところが、なぜか二人とも深刻な表情をしている。


二人の話によるとB夫はここに来る途中に事故を起こし死んでしまったというのだ。



泣き崩れるA子。


3人はひとまずここで一泊し、翌日に帰ることにした。


その日の深夜、ドアを激しく叩く音が3人を目覚めさせる。


ドアの向こうから荒々しいB夫の声が聞こえた。


「A子!ここにいるんだろA子!ここを開けてくれ」


開けようとするA子を二人が静止する。


あれは死んだB夫がA子を迎えに来たのだ、開けてはならないと。


しかし、B夫の必死の呼びかけに心を動かされたA子は二人を振り払いドアを開け、B夫に向かってこう言った。


「B夫、ごめん。私行けないわ。


お願い、気づいて。あなたはもう死んでいるのよ」





































「死んでいるのはそいつらだぞ!


事故で死んだのは俺じゃない。C子とD夫だ!」


驚いたA子が振り向くと、そこにはもうC子とD夫の姿は無かった。

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