覗かれていた
ある女の子がたまたま見ず知らずの男の秘密を目撃してしまった。
男はすぐ女の子の存在に気づいて、女の子の方を向き直ったのだが、
そのときの男の形相は怒りとも何ともつかない恐ろしいものだった。
女の子は怖くなって逃げ出した。
すると、男が女の子を追いかけてきた。
追いつかれると思った女の子は、
慌てて近くにあった公衆トイレの一番奥の個室に逃げ込み
カギをかけた。
少し送れて男がトイレの中に飛び込んできた気配があった。
男は手前側から個室の中を一つ一つ確かめているらしかった。
乱暴にドアを開ける音が近づいてくる。
女の子は恐怖のあまり泣き出しそうになったが、
どうにかそれをこらえていた。
しかし、男はなかなか女の子がいる最後の個室に手をかけない。
そうこうしているうちに、ついには夜が明けてしまった。
女の子は、どうやら助かったらしいと思い、
ほっと胸をなでおろした。
そして個室を出ようとしたとき、
上から女の子を覗き込んでいる男の存在に気がついた。
男は、一晩中女の子を上から見ていたのだった。
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