ベビーシッター

ドケット

2007年12月20日 11:57

これはアメリカでのお話です。

若いお母さんが、出かけるために子守り(ベビーシッター)を
雇いました。

派遣されてきたのは、移民としてアメリカに渡った外国人女性でした。

英語はカタコトでしたが、婦人は彼女の国の言葉が話せたので問題はなく、早速来てもらうことにしました。


ある日、奥さんはいつものように子守りを呼んで家を出ました。

外出先で時間ができたので赤ちゃんの様子を聞いてみようと
自宅に電話をいれました。

「今、寝てます」
カタコトの英語で子守りは応答しました。奥さんはちらりと
腕時計を見てから、子守りの故郷の言葉でこう言いました。

「そう。じゃあそろそろ起こしておいてくれる?」

「はい。奥さま」

婦人は満足して電話を切りました。

ところが、彼女はたいへんな間違いをしてしまったのでした。

ベビーシッターの国の「起こす」という言葉には、
実はもうひとつの意味があったのです。

「調理する」です。

夕方になって奥さんは帰宅しました。出迎えに出た子守りに言います。

「赤ちゃんは?」

「はい。奥さま」

子守りは台所にとってかえすと、オーブンから取り出した肉をトレーにのせて運んできました。

「奥さま、言い付け通りに、調理しておきました」

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