勝手に動く石

ドケット

2007年07月26日 18:37






アメリカ、カリフォルニア州とネバダ州の間に位置するデス・バレー国立公園では、なんと、勝手に動く石が無数に存在するそうなのです。
現場は、四季が無い代わりに雨季と乾季に別れ、1年を通して風が吹き、険しい地肌の土地で、その名の通りまさに死の谷です。
この公園のパークレンジャー達も、石が動いたと思われる跡を何度も発見しているそうです。
しかし、実際に石が動く所を見た者は誰もいません。
石が動いたと思われる跡がよく発見されるのは、荒涼とした砂漠が続く、レーストラックという地点です。
そこは昔、湖だったそうですが、長い年月をかけて枯れたそうです。
ここには、成人男性が力一杯に押しても微動だにしないにも拘わらず、車の轍の様な長い軌跡を後ろにつける石が無数に存在するのです。
300kgにもなる大きな石もあり、また、動いた距離も5~6mのものから1.6kmにも及び弧を引いていたものもあるそうです。

1900年頃から発見されだしたこれらの石を長年研究するジョン・リード博士は、1995年に調査隊を編成し、レーストラックにある全ての石の調査をしたそうだ。
土の成分から石の重さ、分布等を細かく調べ、当時ここには162個の石が数えられた。
石が動いた原因については、様々な説が述べられている。
例えば、レーストラックの土は乾くと固まり、粒子はとても細かく、まとまった雨が降ると、ここには水深の浅い湖が出来、ぬかるみ状態になるから、人が石を動かす事も楽になるという人為説だ。
しかし、石の動いた跡の周辺に人の足跡は無く、滅多に人の来ない様なこんな僻地で、わざわざそんな無意味な事をしている人間がいるというのは考え難い。
地球の岩盤の磁気が、マントルの対流等で移動し、磁気を帯びた石がその移動する磁力によって動いたのではないかとも言われたが、レーストラック周辺の石は磁気を帯びる石ではなく、この説も当てはまらない。
また、デス・バレーの北東に、アメリカ空軍の広大な核実験場があり、1950年代に頻繁に核実験を行われていた事から、その振動で石が動いたのではないかとも言われたが、実際の石の動いた跡は、ずるずると引きずられた感じで、この説も違う。
さらに、レーストラックは東西を高い山に囲まれた谷間にあり、ここを駆け抜ける風に石が動かされているのではないかとも言われ、実際に調査隊が模型実験を行ってみたそうだが、石は風では動かない事がわかったそうだ。

現在、最も有力とされているのが、リード博士の説く氷説です。
冬にまとまった雨が降ると、レーストラックには水深5cm程の浅い湖が出来、それが夜になると表面が2~3cm程凍り、石が凍りの浮き輪をつけた様な状態になるそうです。
そして、氷の浮き輪をつけた事により、浮力が加わった石は、強風にふかれて移動するというのです。

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