キャンプ

ドケット

2009年02月03日 07:41

その女教師が学生の頃、夏休みにキャンプに行く事になりました。


テントをはる場所から一番近くにあるトイレはめちゃくちゃ薄暗くて汚く、個室が二つあるだけ。
彼女は「あんまり入りたくないな」と思ったそうです。

そのうちに夜が更け、お決まりのキャンプファイヤーが始まりました。


キャンプファイヤーで盛り上がっている最中、不覚にも彼女はトイレに行きたくなりました。
しかし自分一人であの薄暗くて汚いトイレに行くのは冗談じゃないので、友達についてきてもらう事にしたそうです。


彼女と友達は足早にトイレに向かいました。昼間でも薄暗いトイレは夜に見るともう真っ暗。



彼女は、「早く用を足してここから逃げたい」と思ったそうです。



素早くでトイレの豆電球をつけ、友達に外で待っててもらって中に入りました。


そして入り口から一番近い個室のドアを開けようとした時です。


なんと、戸が開かないのです。押しても引いても。


「あれ?何で?」と彼女は疑問に思いましたが、すぐにある事に気がつきました。



トイレのドアの隙間をよく見ると、豆電球の薄明かりに紛れて人影が見えるのです。
そしてその人影がドアを引っ張っているのです。開けさせまいとするかの様に。
彼女は、(ああ、ここには誰か人が入ってたんだ。じゃあ奥のトイレに入ろう)と思い直し、急いで奥のトイレに向かいました。

しかしその時、ふと気づいたのです。


(ちょっと待って・・・?)

(私が入ってくるまで、このトイレは電気がついてなくて真っ暗だったはず。この人はどうして、電気もつけずにトイレに入ってるんだろう・・・?)

女教師は次の瞬間、背筋がゾーーッとしたそうです。
こんな夜中に、こんな真っ暗なトイレで、この人は何をしているのか。


彼女はもはやトイレなどどうでも良くなり、外に飛び出して友達をせきたて、慌ててそこから逃げ出しました。



結局、そのトイレで誰が何をしてたのかは最後まで分からなかったのですが、彼女は、あのドアを必死に引っ張る人影を思い出すたびに、なんともいえない恐怖に駆られ、身震いするそうです。


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